大使からのメッセージ

令和3年10月18日
前田 哲 前田 哲
在カタール特命全権大使

就任のご挨拶

   2021年10月にドーハに着任いたしました。アフガニスタンからの人々の待避の問題でカタールが大きな注目を集め、国際社会における存在感を大きく高めるなかでの赴任となり、改めて大使としての任務の重さに心引き締まる思いです。
 
申すまでもなく、カタールは天然ガスや石油の供給国として我が国にとって極めて需要な国です。特にその安定的でフレキシブルなLNG供給能力は、日本のエネルギー安全保障上不可欠な存在といえます。また、カタール自身は、エネルギー関係のインフラはもとより、来年2022年のFIFAワールドカップの開催も念頭に、ドーハメトロなど国内の各種インフラ整備にも精力的に取り組むなど、急激に成長を遂げている国です。これらインフラの開発・発展に我が国が深く関与してきているのは、各企業はじめ関係者のご努力の賜であり、深く敬意を表したいと思います。
 
一方、グローバル化とパワーバランスの変化、デジタル化などをはじめとする技術革新、環境問題の浮上など、大きな変化を遂げつつある国際社会において、我が国もカタールもこれに適応するため様々な課題に取り組む必要があります。こうした課題への取り組みを通じて、日・カタール関係も、エネルギー安全保障を越えて新たな戦略的関係を構築できる環境になってきていると感じます。本年8月には茂木外務大臣がカタールを訪問され、ムハンマド外務大臣との間で第1回日・カタール戦略対話を開催することができたことも、そうした趨勢を象徴しているといえるでしょう。
 
カタールは、新型コロナウイルスの感染拡大に関してもワクチン接種などを通じて抑制に成功しつつあり、外交活動、スポーツ、人物交流なども徐々に活発化しつつあります。来年初めには両国の外交関係樹立50周年を記念する大型の文化行事も予定されています。こうした前向きな取り組みの可能となる時期に赴任できたことを、大変幸運に思います。
 
カタール在住の在留邦人の皆様をはじめ、日・カタール関係に携わる多くの皆様のご経験をお伺いしながら、日本とカタールの豊かな未来、両国関係のさらなる拡大と発展のために、これから力を尽くして取り組んでまいりたいと考えております。
 
どうかよろしくお願いいたします。
 
在カタール特命全権大使
前田 哲